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長々とした説明は、担任が来るまで続き朝から疲れが酷い。
最初の授業は確か世界史。寝ても怒られないから、今日は睡眠に費やさせてもらおう……。
時間は経つのが早いもので、今はもう放課後。
いつも通り、時間を潰すために屋上でゲーム。
いやぁ、今日も良い天気で良いゲーム日和だ。
「お、いたいた」
そんな至福の時も魔王によって壊される。さすがは魔王だ。人の幸福をこうも一瞬で破壊できるとは…。
「なんのようだ? 一緒に帰るとか言うなら、夕方になってから出直してこい」
「ああ、それなんだけどな? 今日、俺と神城は急な仕事で一緒に帰れないんだよ。悪いな」
何が悪いな。だ。願ったり叶ったりだよバカ野郎。
「わかったからとっとと行け」
「ああ。帰りは気を付けろよ」
そう言って魔王は一瞬の光と共に消えた。
「…魔法……か」
この科学の進んだ世界では夢物語で終わる単語を呟き、俺はゲームを続けた。
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