531人が本棚に入れています
本棚に追加
カーカーというカラスの鳴き声を聴きながら、夕日に染まった帰り道をゆったり歩く。
やはり一人で帰るのはとても落ち着く。静かだし、自分のペースで歩けるからな。
「ミツケタ…」
因みに、いつも俺が夕方に帰る理由は人が少ないから。この通りは学生たちがよく使う通学路で、通常時で帰ると小学生や中学生がはしゃぎながら下校してるため煩いのだ。しかも、並列で歩いたりしてるから邪魔だし…。
「オ前ノ命ヲ貰イニ来タ」
それと違い、夕方は人通りが少なく静か。だから、俺はこの時間に帰るのだ。
「オイ! 無視ヲスルナ!」
…なのに…。
「せっかくの一人下校を邪魔するんじゃねぇぇ!!!!」
「えふんっ!?」
さっきから煩かったゴミを回し蹴りでぶっ飛ばす。
ああ! 気付いてたさ! 空が灰色になっていることにも! 銃を持った男がいたことにも!
あえて無視してたのに、肩に手をかけやがったから無視出来なくなっちまったじゃないか。
「クッ…! イテェジャネーカ」
「うるせぇ。立ち上がるんじゃねぇよ」
立ち上がろうとした男を足で押さえつける。
「クフッ…! シ……ネッ!」
男はハンドガンを俺に向けて撃ってきた。
知ってるか? 銃弾って――
「――避けられるんだ」
「ナッ!? コノ距離デ避ケラレタ!?」
避けるのは簡単だ。引き金を引く瞬間に体をずらすだけで良いからな。
最初のコメントを投稿しよう!