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いつも起きる時間より二時間遅く起きた。
なぜなら今日は土曜日。五日間学校に通ったご褒美とでも言える曜日だ。
「おはよう兄ちゃん」
「……おはよう」
リビングに行くと、妹が土曜朝のアニメを観ながらパソコンをいじっていた。
「今度は何を作ってるんだ?」
インスタントコーヒーを淹れながら妹に何してるのか聞く。
「んー。新しいウィルス。侵入したときにフォルダとかにばら蒔こうかと思ってんだ」
「へー。今回はなんのウィルスなんだ?」
「フォルダを一時的に開けなくするイタズラウィルス」
「またイタズラウィルスかよ。その技能を他の物に使えば金稼げるぞ?」
ウィルスから守るウィルスとか作れそうだ。
「いいの。うちはまだ小学生なんだからさ! イタズラ程度でいいんだ!」
まぁ、本人がそれで満足してるならいいか。
「そう、なら口出しはしない」
「うん。あ、それとこれ」
妹に一枚の紙を渡された。
俺はコーヒーを持って椅子に座り、渡された紙を見る。
……深水真也の魂狩りに参加したい人募集。定員十五人。報酬は人間の魂六人分。日時は六月九日……って…。
「明日じゃねぇかっ!?」
「うわっ!? ビックリした~。いきなりデカイ声出すなよ!」
「すまん…」
怒られてしまったが、それよりも日時が明日とか…。しかも、今回は敵が十五人。どんだけ俺の魂が欲しいんだよ…ったく。
「兄ちゃん、眉間にシワがよってて怖いぞ」
「…すまん」
一旦コーヒーを飲み落ち着くことにした。
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