125人が本棚に入れています
本棚に追加
深夜12時を回った頃、バタンと車のドアの閉まる音がして
「ここ池上くん家?私お持ち帰りされちゃったのーっ?」
と、明らかに酔った女の声が高らかに響いた。
と同時に私の部屋のチャイムが鳴り
「羽子ちゃん、悪い遅くなって」
と言う声が聞こえた。
開けたくない。
心からそう思ったけど、私は扉を少しだけ開けると、顔も見せずに鍵だけを差し出した。
持ち帰られた女の顔も見たくなかったし、今日は何より池上くんの顔が見たくない。
私は鍵を手渡すと、すぐさま扉を閉めて鍵を掛けた。
もう洗濯なんて、絶対してあげないっ!
最初のコメントを投稿しよう!