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台所の電気を消し、ベッドに潜り込もうとした時、またチャイムが鳴った。
「羽子ちゃん、開けて」
扉の向こうで池上くんの声がする。
私は仕方なく台所まで戻ると、ドア越しに
「何?」
と尋ねた。
「いいから開けて」
何のつもりだろうか?
今日は私あなたに会いたくないのに……。
そう思いながら鍵に指をかけるが、少し躊躇いその指を引っ込める
「だから何?」
ドア越しにもう一度問い掛けるが
「いいから開けて」
の一点張り。
いつまでもこうしているわけにもいかないので、結局私が折れてカチャリとドアを開ける。
「もう、何よ?」
そう言って顔を出した私を無視して、強引に部屋に上がってくる池上くん。
「ちょっと池上くん?」
私が彼の腕を掴んで制止すると
「俺今日羽子ちゃんとこ泊まるから」
と笑顔で言う。
「はぁ?」
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