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「羽子ちゃんは、俺の初恋の人。で、俺が一番大事にしているものだから、羽子ちゃんお願い俺と一緒に来て」
池上くんはそう言うと、畳に頭を擦り付けんばかりに頭を下げた。
「え?否……ちょっと待って」
私が池上くんの初恋の人で大事なもの???
まだ頭の中の整理がつかない。
目の前の池上くんは、まだ頭を下げたまま微動だにしない。
私、そんな頭下げて貰えるほどいい女じゃないよ。
そう思いながら、私はようやく池上くんの肩にそっと手を触れた。
「よろしくお願いします」
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