生徒会書記と副会長

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 話は、平凡だった頃に少し遡る。夏休みが明けて、少ししたころ。 「一年の坂本くんと松浦くん、かぁわいいわよねぇっ」  いつでも鍵が開いている開放的な生徒会室は、平時は単なる雑談所と化している。そこで一人萌え上がって自分の肩を抱いている三年生の女子生徒は、一学期と変わっていない。まさに相変わらずであった。  テーブルを挟んで向かいにいるその上級生に、渡(わたる)はちらと視線を投げる。 「また一年を追っかけまわしてたんですか? 美奈子(みなこ)先輩」  問いかければ、「あら、人聞きの悪い」とその先輩、美奈子は口をすぼめた。そしてにこりと笑う。 「追っかけてはいないわよ。アプローチしてただけで」  どっちも同じような気がする。
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