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松風天馬。その名を聞いたとき、心がス、と静かになった。
俺はあの子を知っている。俺がまだエイリア学園と戦うサッカー一筋の中学生だった頃だ。
犬を助けようとして木材の下敷きになりそうだったから、俺はサッカーボールを蹴って助けたんだ。
あの子の母親が叫んでいた「天馬、大丈夫!?」という言葉とズボンのウエスト部分の「MATSUKAZE」という名前がずっと心に残っていた。
「てんまは、サッカーを好きになっただろうか」
という疑問と共に。
そして天馬は、思いがけない形で俺の前に現れた。
ドリブルをする姿、仲間を鼓舞する姿。化身を発動する姿。嬉しいのと懐かしいので思わず目を細めてしまう…っ、危ない。今は正体をバラしてはいけなかった。“部下”たちは気づいていなかった。
そうだ、こちらから天馬に会いに行ったらどうだろう。まだ俺を覚えているだろうか。俺は、早速車に乗ると、雷門中を目指した。
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