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「あれ?泣き虫神童がいる」
「エイリアンの霧野もいんじゃん」
「落ちこぼれ同士でつるんでるのかよ」
「落ちこぼれってなんだよ」
「サッカーやってないやつなんて落ちこぼれだろ」
「できないからやらないんだろ」
やってない、とは言ってもオレがサッカーをやらないのは両親がいつも一人のオレにチームプレーを期待しなかったからだし、たくとの方はもちろん、たくとの両親がたくとがサッカーチームでいじめられることを心配したからだ。
ひどい勘違いだが憤慨するようなことでもないしカッコいいことでもないので黙っておいた。
「たくと、泣くなよ。大丈夫だから」
…そういえば、何でまだ泣いてるんだ?さっき泣き初めてから泣きやんだ様子はないし…
「もしかして、泣いたのってあいつらが来たのがわかったから?」
「うん…ふぇ…え…」
予知能力だった。
まあ、耳が良すぎて声と足音でわかっちゃうんだろうな。って、もしかして…
泣かされる→いじめっこ恐い→予知→いじめっこが来るときに泣く→いじめっこが見るといつも泣いてる→泣き虫神童→泣かされる
……
うわぁ…究極のいじめられっこだ…
「神童ってすぐ泣くよな、男のくせに。キモい。」
「女なんじゃねぇの?」
我慢の限界が近い
「あぁ?誰が女だよ…」
「お前に言ってねえよ」
「お前も女みたいだけどな」
「なにキレてんだよ、うざっ」
一人が小石を拾って投げた。オレに当たるはずだったその小石は、
それてたくとに当たった。「いたっ…ふぇええ、うああああん…っえ、えぐっ…ぅっ…」
そろそろ逆転の時間か?
やられたことをやり返してやろうか?
それとも、
そ れ 以 上 か ?
―
―――
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