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格好いいゆるキャラ……。
「ふんどしで筋肉質とかそういうのですか?」
「お、いいじゃねえかのりちゃん! さすが若い発想は違うねっ!」
「え。えへへ……」
小木さんが思いの外、誉めてくれたから照れるんだぜ。
「駄目に決まってるじゃないの! 筋肉でふんどしなキャラなんて警察が出動するレベルじゃない!」
勅使河原さんに落とされたんだぜ。
そんな重大なレベルだったとは……。
「でもよ、格好いいという着眼点はなかなかいいんじゃねぇか?」
魚ちゃんさんが言った。
少し考えるような間があり、魚ちゃんさんが言葉を続ける。
「小さい子供らが安心して集まる場所ってのは、たいがい大人も集まるもんなんだよ。で、小さい子供らは何に夢中になるかって話でさ……」
開け放たれた窓の外から、セミが一匹飛び込んできた。
みなの目がセミに向く中、魚ちゃんさんはぽつりと――
「俺たちでヒーロー戦隊を作っちまうってのは、どうだろうか」
秋津一番星商店街を、復活へと導くための呪文を口にした。
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