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連れていかれた先には、何人かの護衛兵と思われる者達と、一人の老人がいた。恐らくこの老人が長老だろう。何か物々しい雰囲気である。
「どこへ行くつもりじゃ?」
長老がゆっくりと口を開いた。
「特にあては…ないな…。」
ディオンは何か考えているような顔で落ち着いて答えた。護衛兵の一人が、長老の耳元で
「長老…もしもこいつが…奴らの…アーク一味の者だったら…。」
と小さい声でささやいた。長老は、
「分かっておる。」
と冷静に答え、護衛兵達に
「奴の体をくまなく調べろ!もしアーク一味の者であれば、体のどこかにAの刺青があるはずじゃ!」
と命じた。そして、ディオンがはおっていた布をひっぺがえし、Aの刺青を探そうとしたその時であった。
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