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一人の兵士が慌ててこっちに走ってくる。長老が静かに
「どうした?何かあったのか?」
と聞くと、その兵士は息をきらせながら
「奴らが…アーク一味の奴らが…この街に…真っ直ぐに向かってきています!!」
と叫んだ。
「戦える者は広場へ集まるよう、戦えぬ者は避難するよう街の民に伝えよ!」
長老は手慣れた様子で何人かの護衛兵に命じた。護衛兵達は、うなずき、別れて街の者達に長老の伝言を伝えに行った。
「長老、この者は?」
一人の兵士がディオンを指差して尋ねた。長老は少し考え、
「この者も避難させよ。ひとまず、奴らの説得がさきじゃ!」
と叫んだ。ディオンはようやく今の状況を把握した。再び連行され、元々いた鉄格子の中に入れられた。
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