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人質をとられたため、動けずにいる兵士達の中に、一人の子供が紛れ込んでいた。リナである。人質にとられているのはリナの父親だったのだ。リナは護身用に持っていたピストルをアークに向けて
「お…お父さんを放せ!!」
と脚を震わせながら叫んだ。無論、アークがそんなもの気にするはずがない。リナは更に、涙を流しながら
「お…お前らなんか…私が全員ぶっ飛ばしてやる!!」
と叫んだ。リナの父親は
「お…おい…リナ…。ここに来たら危ないぞ…。」
とリナに対して警告したが、リナはそれを無視して、アーク達の方に、脚をガクガク震わせながら動き出した。
「リナ!!こっちに来るんじゃない!!逃げろ~~~~!!」
リナの父親は必死に叫んだ。すると、リナの父親を掴んでいたアークが
「うるせぇ!!黙ってろ!!」
と怒鳴り付けた。
リナはそれを聞いても歩みを止めなかった。その肩に何者かが手を置いた。
―ディオンだった。
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