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「お頭ァッ!大変だァッ!」
一人の男の声が荒野に響く。
「どうした。」
お頭と呼ばれた大男が低い声で言った。部下の男はあわただしく、
「我々の部下が…な…何者かに!」
と叫んだ。
「何だと!?」
大男は驚いて言った。
倒されてしまった部下のもとに近づき、
「誰だ…こんなことをしやがったのは…!」
と呟いた。そして、怒りで体をワナワナと震わせて
「この俺の…アーク様の一味の者だと知ってのことか~!!」
と叫んだ。部下の男は、倒れている者の不審な点に気づいた。
「おかしいですぜ、お頭。何だか高温の物でおもいっきりやられたかのようなあとがありますぜ。」
だが大男はそれを無視して、
「絶対許さん…俺に逆らえばどうなるか…身をもって思い知らせてやる…。」
部下の男は慌てて、
「お頭!落ち着いて下さい!こいつをやったやつは、恐らく街に向かっていると思います!その証拠に、足跡は街のほうに向かっています!ここは一度街へ行って探したほうが、街の連中の見せしめにもなりますし…。」
と言ったところで大男は「分かった」と呟いて部下の男を黙らせて
「街にはちょうど食糧と水の補給に行こうと思っていたんだ…ちょうどいい…。」
と不気味に笑いながら言った。
「野郎共!街へ行くぞ!」
大男、アークをヘッドとするアーク一味が、街に向かって動き始めた―。
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