連行されたディオン

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見てみると、一人の女の子が立っている。 「旅人さん、大丈夫ですか?お水…持ってきました。」 どうやら近付いていたのはこの子だったようだ。手には、コップ一杯の水があった。牢屋のような鉄格子を挟んで、 「あぁ…ありがとう…。」 と言ってその水を受け取り、それを飲んだ。それから2分ほどたったあと、 「済まないが…水をもう一杯もらえないかな?」 と、ディオンは鉄格子の向こうに立っている女の子に頼んだ。女の子はうなずき、走っていった。 「あたし、アンナっていうの。貴方の名前は?」 起きたときからそばにいた女の子が急に声をかけてきた。」 「俺はディオン。故郷を追われたしがない男さ。」 ディオンは静かに呟いた。ディオンはアンナに 「あの水を持ってきてくれた女の子が俺を助けてくれたのか?」 と尋ねた。アンナは 「あぁ…。リナのこと?そうよ。リナが貴方をここまで連れてきたのよ。」 と答えた。 「貴方は何の目的でこのハーバータウンに来たの?噂でも聞いてここに来たんでしょ?」 アンナはディオンに聞いたが、ディオンは 「この街の噂って何だ?」 と逆にアンナに聞いた。アンナは 「この街には地下水が沢山あるの!だから食糧もたっぷりあるの。それらを力のある者が奪って生きていくの!だからこれからは、暴力が支配するのよ!」 と笑顔で答えた。ディオンは、最後の方がよく分からなかったが、 「あ~…そうなんだ。」 と言って、再び寝転んだ。
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