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閻魔城
「ガッハッハ!!!」
(また、面白そうな奴がこっちの世界に来たな!)
そんな事を考えながら、この世界の王である『閻魔大王』(えんまだいおう)は豪快に笑っていた。
身の丈3mを超す巨体で笑う姿は王の風格を感じさせている。
(さーて、ワシを倒す者は、はたして現れるかな?)
そう思ったのも束の間、背後から馴染みのある声がした。
「また、こっちの世界に来た人間を生き返らせるゲームをしてるんですか?『閻魔』様。」
そう言ったのは『閻魔大王』の使い魔の一匹、『メルド』…。
『メルド』は丸い体の真ん中に一つだけ大きな目があり、コウモリの様な羽が背中から二枚生えている下級悪魔である。
「おぉ、『メルド』か。また面白い奴が1人来たんだ。今からルール説明に行ってこい。」
「…分かりました。」
二つ返事で、その小さな羽をパタつかせ、『メルド』は閻魔城から飛び立っていった。
(さて、ワシも一眠りするかな。)
その姿を見送ると共に『閻魔大王』の姿も消えていくのだった。
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