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 いつの間にか、私は牢に閉じ込められてしまったのではないか。  調子が悪くて同じ箇所しか読み込まないDVD-ROMのように、一定の時の枠の中で同じことを何度も繰り返す、おぞましい時間の牢獄に。 「あのね…………」 『私は奈月で、奈月は私かもしれない。そんな変なことがあると思う?』という言葉は続かなかった。  現実には、あり得ない。  私の脳はそう理解したからだ。  和ちゃんは「分からない」という顔をした。  いきなり黙り込んだ私に戸惑っているみたいだ。  気づいているのに捨ておくあたり、私も相当意地が悪い。  和ちゃんは大きな溜め息を吐いて両手を軽く広げ、肩をすくめていた。
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