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KHS高校。
特に頭のいい高校でもなく
なにか有名な所でもないこの高校は
とても、倍率が高く英自身自分が入れたのが
不思議なくらいで思わず首を傾げた。
もっと不思議なのは女子が多いのと
不良が多い。
入学式だと言うのにもう制服を気崩した
新一年生は英と目が合うとぎろり、と睨み付けた。
「おー、こわいこわい」
半ば棒読みでそう呟けば入学式の会場である
体育館へと足を急がせる。
体育館に着き、ちらりと中を伺えば
二年生と三年生はもう椅子に座っており
英は、おお、と声を漏らした。
体育館の端の方に生徒会らしき人達が
並んでいて、思わず目を見開く英の視界に入った一人の男子生徒。
気だるそうに目を細めるその顔に英は
パタパタと見えない尻尾を左右に振り始める。
「(かっこいい!あの、先輩かっこいい!)」
強い視線に気付いたのか男子生徒は英と目が合い
そして、怪訝そうに睨み付けた。
近くにいたもう一人の男子生徒に話しかけられ
暫く話しているとニヤニヤと話しかけた男子が英を見ながら肩を叩くのが見える。
大人しく叩かれながら首を横に振ればまた英をちらりと見た。
なにを話してるのか遠すぎて聞こえない英は
小さく首を傾げる。
そのまま、入学式が始まってしまい
列からはぐれないようにと歩き出した。
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