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無事入学式が終われば指定された教室へと足を進め
帰りのHRが終わる。
ざわざわと廊下がざわついている中
英の頭の中はあの先輩で一杯。
名前もクラスも知らないその人は
また、会えるかもわからず英は肩を落とした。
「生徒会に入れば会えるのかな。
けど、俺めんどくさいの嫌だしなぁ」
ブツブツと小さく言いながら廊下を歩けば
廊下の奥に女子の人だかり。
興味津々に人混みを掻き分けて見てみれば
英の探し人を見付けた。
「な、なんだよ。
俺、なんかしたか?」
「あ、先輩」
困ったようにキョロキョロと見渡しながら声をだせば
英の目が輝きだす。
さっきより近くから見れて更にテンションが上がった。
実哉が英と目が合うと思い出したように、あ、と声を出す。
自分の事だとは思わない英は首を傾げた。
「おー、いたいた、おい、犬。」
「い、いぬ!?」
ちょっと来い、と腕を掴まれ歩き出せば
背中に感じる殺気殺気。
「(明日からいじめが始まるかな)」
一人考えながら着いていけば人の少ない中庭に着いていた
そこで手を離せば英に向き合うように
くるりと踵を返す。
「な、なんですか?」
「さっき、じろじろ人のこと見やがって
てめえも俺に喧嘩売りにきたのか」
その言葉に英は目を丸め首を傾げる
初めはなにを言っているのかわからなかったが
よくよく考えてみれば確かに不良がたくさんいた。
あれは全て先輩目当てだったのか、と英は納得したように頷く。
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