『お嬢様とオタク様』

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一方、俺とは正反対の生活を送る湊都さんの生活と言うと、そらさぞかしリッチな生活だろう。 湊都総合病院と言ったら、この町だけじゃなくて他の他府県にも知られている超有名な病院だ。 俺も、何度か行ったことがある。 彼女とも何度か会ったことがあるけど、喋ったことはない。 彼女の父親側の家は、代々続く医者の家庭らしく、父親は医院長、母親は有名なデザイナーらしい。 彼女はそこの一人娘。 俺ん家とは違って部屋を広々と使えるんだろうな。 うちのチビ達を別けてやりたい。 てか、快く贈呈しよう。 うちの狭い家より、広々したお屋敷の方があいつらも喜ぶだろうし。 って、まあ嘘だけどな。 とにかく、俺は彼女の生活がうらやましい。 これほど、同じ町に住む同い年の人間同士が違う生活ってことがあるのか? これだけ彼女の話をして言うのはなんだが、俺は彼女には全く興味がない。 俺が興味ある女はレノちゃんだけだ。 彼女の容姿はレノちゃんとは全く違う、なんか森ガール的な感じだった。 もっと、妖艶な女が好きだ。 こんな呑気なことを考えている時の俺は思ってもみなかっただろう。 彼女とあんな思いもよらぬ形で会うこと。 そして、彼女の姿が変わり果てることを――
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