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だが…
彼女が目を覚ますことは無かった。
駆け付けた彼女の両親はショックで涙も出なかったそうだ。
今回の事故の責任を感じた親父はしばらくこの町にとどまると言っていた。
今思うと、急ブレーキの音の直前、蝉の声はピタリと止まった。
あれが、不幸を予知していたのかもしれない。
彼女は死んだ。
16年という短すぎる人生に幕を閉じた。
しかし、その人生の幕を開ける出来事が1週間後、俺の大切なアイツと一緒に迎えることになるとは知らなかっただろう。
―彼女の魂は生きていた。
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