嘘つき

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私は、嘘が嫌いだけれど、私は嘘つきである。 意味不明だろうか? どうでもいいだろうか? 理由なんて、必要だろうか? 嘘を吐く、この行為に対して、嫌悪感を持つけれど、罪悪感は、あまり持たない。 時に、他人を騙すくらい、誰だってするだろう? 私は、私を偽ることに慣れてるかもしれない。 本音を、建前で隠すことに慣れてかもしれない。 それは、嘘を吐くという行為に当て嵌まるのだろう。 けれど、私は、やめることができない。 偽りの仮面は、いつの間にか凝り固まり、がっちりとはまり、本当の私を見失う。 偽ることに、快楽を覚え、隠れることに、至福を肥やす。 道化、ピエロ。 幾重にも、塗り固めた、仮面は表情を作らない。 吐き出す、言葉は虚言の塊。 隠す為の、盾であり、矛 真っ黒に淀んだ、心情は汚く醜く腐ってる 嫌悪感に塗れても、罪悪感は感じない、これが私だ。 醜い、嘘つきの道化。
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