幼き日々は

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「ありがとうございます。 もう戻りますから大丈夫です」 笑顔を取り繕って 会釈をしてその場を立ち去ろうとすると、強い力でそれを制止された 一瞬なにが起こったかが分からなかったが、数秒後には理解した 疾風に腕を掴まれていた ゾッとした 昨日の“パパ”を思い出す 声を出さなきゃならないのに声が全く出てこない 「鳴海ちゃん どうして辛そうなの?」 え?辛そう?あたしが? どういうこと? 言われた言葉の意味を考えるよりも掴まれた腕がおぞましくて頭が回転してくれない
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