両手に重い荷物を持って、

｡* 本編 *｡

母の、兄と私への態度は、全く違うし。

何かあったら、大体、兄の方について、私は部外者みたいな顔で見られる。

お兄ちゃんは、勉強も出来て、優しくて、積極的で、頑張り屋さんで。私と真反対だ、と言われなくても、感じる事が出来た。

私が学校で辛い事があっても、「逃げてばかり。」と母はよく言った。

悩み事なんて、人に話した事なんてない。いや、話せない。

でもやっぱり、お母さんには話したかった。

この家に必要では無いのか、と何度も苦しんだ。
でも、話せる人なんていないから、いつも私は１人で抱え込んだ。

母はいつも仕事の愚痴を私に言った。

確かに母は、何個も仕事を掛け持ちして、計り知れない程、大変だとは思ったが、八つ当たりはいつも私で、兄だけを褒めた。

私は、そういう奴で、出来損ないだと思うようにした。

でも、やっぱりいつでもお母さんが大好きだった。

ほんとは、悩みも聞いて欲しかったし、兄だけでなく、私にも振り向いて欲しかった。