全ての始まり

9/34
前へ
/300ページ
次へ
――――― 「ふぅ……。 ここまで来たら安心でしょ」 「あぁ、悪いな。 ありがとよ」 場所は学校の正門。 黒の重々しい金属がゴールを祝うかのように広々と開放されている。 タマの特徴である鋭敏な嗅覚、そして聴力をレーダー代わりにして、上手く教師の魔の手から逃れながら見事出口まで辿り着いた。 何でも瑞希に聞いてみると、二・三度ガチムキ教師に接触しかけていたと言う。 ……人の執念って恐ろしいよね。 ちなみに召喚獣とその召喚者である主(オーナー)は意志疎通が可能であるらしい。 タマとコミュニケーションを取ってみたいと思わないでもないが、魔力無しの無才の俺には到底無理な話だ。
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

252人が本棚に入れています
本棚に追加