全ての始まり

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この国へ入国するためにある四つの門の内の一つ、西の関門だ。 ここ、アルマスの国の領土は円に似た形をしており、それを囲むように国境に隔壁が建てられている。 そしてその隔壁の東西南北に出入り可能な関門があるのだ。 門の近くには槍を携えた門番が見張っていて、人はいないし近づこうともしない。 隔壁を建てているのは、何でも他国からの不審者や魔獣の侵入を防ぐためらしい。 「……世の中物騒だね~」 そんな独り言を呟きながらベンチを探していると、ドォォン……と微かだが地面に響くような音が耳に届いた。 不思議に思い、辺りを見回すが音源はわからず……。 というか、周りを歩く人たちはどうやら音にすら気づいていないらしい。 すると再び、ドォォォン……とさっきよりも大きく響いた音がはっきりと聞こえた。
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