全ての始まり

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――――― 「はあっ……、はあっ……」 薄暗い廊下を息を切らしながら走り抜ける。 ここから先の道は行き止まりだ。逃げる場所はもうない。 俺、天崎 光(アマサキ コウ)は手頃な柱を見付け、身を隠す。 「ちくしょう……。 どこまで追いかけてくんだ、あの野郎……」 荒くなった息を整え、首筋に流れる汗を拭いながら毒づいていると、 コツン……コツン……。 と、不気味な足音が耳に届き、思わず口を抑える。 その足音は一歩一歩確実に、着実に、俺が身を潜めている柱へと近づいてくる。
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