252人が本棚に入れています
本棚に追加
静寂の中、緊張で早まっていく心臓の鼓動の音がやけに耳に響く。
一滴の汗の雫がこめかみを伝い、頬へ、そして顎にたどり着き、ポツンと石造りの床へと流れ落ちた。
そして……。
「……何やってんの?」
「ふぎゃあああぁぁぁっっっっ!!
すいません、すいませんっ!
サボってすいませんでした!
だから鉄拳制裁だけはご勘弁を……!」
「いや……だから、何やってんの?」
「……へっ……?」
聞こえてきた声は予想していた野太い声ではなく、聞き覚えのある透き通った声だった。
最初のコメントを投稿しよう!