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そんな姿を見てか、瑞希は頭を抱えて、
「ホントにみっともないわね。
考えてみなさい?自分の彼氏に頭を下げられる気分を。
恥ずかしいし、不快だし、ちょっとした優越感が湧いてくるわよ」
「ちょっと待て。
最後、優越感って言ったか?明らかにおかしいだろ」
「大丈夫よ。ほんの五割程度だから」
「半分占めてるじゃねぇか!
ちょっとでもほんのでもねぇだろ!」
「自分が好きになった男がプライドなんか関係なく、いとも簡単に土下座という下劣な行いをしているのを見た彼女の気持ち。
あんたにわかるの?」
「すいません勘弁してください。
もうこれ以上、僕の心を傷つけないでください……」
蔑むような冷たい視線と心を抉る言葉を受け、自然に土下座へとリターン。
「まぁどうでもいいけど」
「あっさり切り捨てたなオイ!」
人気がなく、物音すら聞こえない廊下に叫び声が木霊した。
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