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俺をいじるのを満喫したのか、瑞希は満足気に笑みを浮かべながら踵を返して、
「早く行くわよ。
放課後、買い物に付き合ってくれるって言ったでしょ」
と言って、優雅に黒髪を揺らしながら歩き出す。
「ま、待て。
俺は今、あの鬼教師から逃げてるわけであって、きっと向こうもそこら中を探しているに違いないぞ」
「それについては何となく事情はわかっているから、こっちで対処するわよ。
……おいで、タマちゃん」
瑞希が首にあるネックレスに指を添えて、優しくかわいらしい名前を呼ぶ。
すると彼女の隣にあった木製の棚の上に、青い光をうっすらと放つ魔方陣が浮かび上がる。
そしてそこからは、細かい粒子を散らしながらタマちゃんこと、キュートな黒猫が姿を現した。
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