クロスロード第一章~人生のスクランブル交差点~

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いつものスーパーにつくと、買い物を始める。 商品を見始めると、ちょっと気分が乗ってくる。 ささっと終わらせて帰ろうと思っていたことなんて、その時は忘れている。 いつのまにか籠の中が一杯になる。 たくさんの袋を提げて帰り、家に着くとどっと疲れが出る。 休憩し、夕食の準備をしていると、夫が帰ってくる。 夫が今日のメニューを聞いてくる。 こっちは疲れていながら夕食の準備をしてあげているっていうのに、能天気に「メニューは何?」ですって? という感情を抑えながら答えたつもりだったが、こっちの気分がなんとなく伝わってしまったようで、夫はそれっきり黙ってしまった。 気分を切り替えて、ごはんの時に話しかけてみるが、空気はなんとなく重いまんま。 そうなると、「男のくせにいつまで引きずってんのよ!」と、怒りを覚える。 そして、ぽろっと不満を漏らすと、黙っていた夫も文句を言いだす。 そして、口論になる。 流れは多少違えど、いつもこんな感じ。 昔は、何をいっても話しを聞いてくれていたのに、結婚して数年たつと、ちょっとしたことで怒るようになる。 「誰のおかげで毎日気持ちよく仕事に行けてると思ってんのよ」と思う。 私は今まであまりしてこなかった、「一生懸命」というモノをアナタのためにしてるのよ? ほんとわがままな夫を持つと苦労するわ。 でも、どこの夫婦だって多少の問題はあるし、山あり谷ありで、なんとなく過ごしていくんだろうなと思っていた。 そう。 その日が来るまでは・・・
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