悪役だったのに懐かれていた2人と再会

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  「ニコラ、今日はおでかけちまちょうね」 「おえかえ?」 「そう、おでかけ」 この1ヶ月で変わったのは、何もニコラだけじゃない。 あたしは赤ちゃん言葉を使うようになった。 最初は自分を殺したいくらい恥ずかしかった。まぁ傷付ける事は出来ても死なないんだけどさ。 でもニコラが話し出してあたしの言葉を繰り返すようになったら、それが嬉しくていつの間にか慣れて恥ずかしくなくなった。 母性本能が出始めてきているなぁ……。 男でもあるから複雑だ。 子守帯を使ってニコラを抱っこし、噛むためのおしゃぶりを持たせる。 吸血鬼だから何かに噛み付きたいらしくて、人の体と同じ柔らかさのおしゃぶりを作ってあげた。 「しゅっぱーつ」 「しゅわちゅ」 毎回移動が影繋ぎだと味気無いので、氷魔法の【スリパリー・グラウンド】で範囲を自分の進む所にして、スケートのように滑る。 ただそれが異常に速い。速度200キロ以上は出てますね。 Gや風圧がニコラを襲わないようにシールドで覆った。 住んでいる街がある大陸から大分南にある砂漠の真ん中に、溶けない氷の山がある。 その氷の山が城に似た形をしている為、“誘惑の魔氷城”と呼ばれている。 それが今日出掛ける場所だ。 其処(そこ)には純度100パーセントの魔石があるから、あたしの魔武器を作るのに最適な材料だと思って、其処に出掛ける事になった。
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