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何でも50年前に突然できた山らしく、砂漠で茹だるような暑さの中、見えた溶けない氷の山に誘われる人間は少なくなかった。
だが一度その山に入れば、生きて帰ってくる人間はいなかった。
そんな事が何度も続き、ある日SSSランクの青年が現れてその山に入り、多少怪我を負っていたが見事生還した。
青年の調べた事に拠(よ)ると、山にはアイス系の魔物が沢山住み着いていて、どれもAからSSランクという高ランクの魔物ばかりだった。
その為他の大陸の国王同士が話し合い、山にはSSSランク以下は立ち入る事を禁じられたのだ。
その山に、今あたしは足を踏み入れた。
……本当だ。アイス系の魔物がうじゃうじゃ居る。
ニコラに魔物を殺す所を見せるのはまだ早いから、見えない匂わない感じないようにするシールドを張り、滑らないように風魔法で風に乗って登っていく。
「えーと魔石は頂上に埋まっているのか」
「まあま、ちぃぃ、ちぃい!」
「はいはい、喉渇いたのね」
子守帯を1回外し、伸ばした爪で首筋を傷付けてから傷口にニコラの口を持っていくと、ジュルジュルと血を吸われる。
この感覚ちょっと気持ち悪いんだよなぁ。
「まあま、ちぃおいち!」
あたしの血は神力が混ざってるからニコラには美味しくて堪らないみたいで、結構な量を毎回吸われる。
赤ん坊が口の周りを血で染めてそんな事を言ったら、一般人からしたらホラーだよな。
可愛いからいいけどさ。
……ハッ……!
やばい!親バカになってきている……!
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