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ニコラの水分補給が終わると同時に頂上に着き、傷口を塞いで口を拭いてまた抱っこする。
いっぱい吸ったら眠くなったのか、ニコラは寝てしまった。
あたしとしては好都合だ。
「採掘採掘」
グラスプ・アイで魔石を探すと案外近くに沢山あったから、4つぐらいを布袋に仕舞い黒魔法で影に沈める。
純度100パーセントの魔石は中が透明で、光に当てれば薄く七色に輝く。
ニコラが見たら喜びそうだから起きたら見せてやろう。
「……ん?下から悲鳴?」
山の中間辺りから人間の悲鳴が聞こえる。女か。
あと獣の咆哮も聞こえる。
それから察するに、獣が女を追いかけているんだろう。
此処に入れるのはSSランク以上の人間だけだから、悲鳴を上げててもそう簡単には死なないと思う。
でもさ、普通念の為誰かと来るだろ。自分の力を過信して入ったのか?
自業自得だし放っとこ。
再び風に乗って山の外側から下りていく。
「あ、悲鳴止んだ」
喰われたのか?
……あれ?何か足音近付いてきてね?
「走ってるから急に止まれないぃぃぃ!落ちるううう!!」
「グルゥアアアアアアアッ」
これはやべえな。
「【影繋ぎ】、叫喚の森頂上の木陰」
女と魔物が崖から落ちてあたし達にぶつかる寸前で影繋ぎを使い、闇が3人と1体を包んだ。
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