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「ああ、コイツはあたしの義理の息子。この森で拾った吸血鬼と神の子供でニコラってんだ。よろしくな?」
「……い、」
「い?」
「っ……い、い、い、いっいやああああああ!お姉様が母親にぃぃぃぃ!!その子供にお姉様の豊かなお胸をしゃぶらせたりとかしちゃうんですよね私も包まれたり触ったりピーーーピーーーピーーーピーーーしたりしてみたいのに赤ちゃんだからって羨ましい羨ましい羨ましいぃぃいいいい!!」
壊れた人形のように首を左右上下に振ったり地団駄を踏んだりするリカは、幾ら容姿が綺麗だといってもドン引きせざるを得なかった。
正気に戻るのはまだ無理そうだから、空気になっていた魔物に話し掛ける事にする。
あたし達に襲い掛からず空気を読んでいたから、高い知能を持っているのは間違いない。
「お前、人と話せるか?」
「ワオッ」
少し警戒しながら側に近寄ると、魔物は嬉しそうにあたしを押し倒した。
ニコラが怪我しないように抱き締めてから背中から倒れる。
魔物は湿った鼻をあたしの顔に押し付けたり、擦り寄ったり舐めたりしてきた。
この魔物はどうやら人懐っこい奴らしいが、どうしてリカを追いかけていたんだ?
『……はぁ……何百年振りだろう、また親友に会えて嬉しいよ。ボス』
「その呼び方……ユウトか」
淋優人。
「そそぎ」という珍しい名字で、コイツもリカと同じ仲間であり、「俺」と同い年で直属の部下だった。
「俺」直属の部下だった奴は、レイヴが地球から集めてきた人間だ。
「俺」もその中の1人だった訳だが、この性格を買われてボスにさせられたんだ。
まぁその話はさておき。
「ユウト、人間にはなれないのか?」
『なれるぞ。ちょっと待ってな?』
ユウトがあたしから離れたから尻や背中を払いながら立ち上がると、ユウトの躯が白く光り大きな躯がどんどん縮んでいく。
あたしより20センチぐらい大きいところで止まりると、光が収まり懐かしいユウトの姿が現れた。
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