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それから、時間は少し掛かったものの、二人は無事?に朝食を終えると、学園指定の通学カバン・制服のブレザーをはおり、スニーカーをはいて千代へ一言挨拶をしてから、寮の玄関を出て学園へと向かう。
「夢斗ー。今日も誰も歩いてないぜ?」
「まあね。ボクたちが早いんだよ。寮と学園まで、そんなに距離ないしね。」
寮から学園までは、徒歩7分で着くくらいに近いのだ。
「じゃあ、なんでお前は早い時間に起きて、こんな早い時間に登校するんだよ?」
「別に意味はないさ。家に電話して、ランニングに行くために、早く起きているだけだよ。日課ってやつ?」
「日課ねえ…。」
「飛鳥はどうして、ボクと同じ5時半に起きるの?何もしないなら、学校は8時からだし、寮の朝食時間は7時から。7時半に寮を出ても、6時半に起きても間に合うだろ?」
「うーん…俺も意味はないよ。ただ、お前が早いなら俺も早く起きたいなって思っただけ。元は早く起きてて、お前からのモーニングないとなんかな…俺も日課だ!」
「そう。」
夢斗は、飛鳥がなぜ少しでも一緒にいるようにしているのかを知っていた。
それは、実は夢斗は幼少の頃体が弱く、幼稚舎をよく休んでいた。
それでも、スポーツが好きで動いては、風邪をひいたり、喘息の発作が起きていたのだ。
初等科三年から始めたランニングも、周りからは反対されていたが、ずっと続けていた。
最初は、飛鳥も夢斗を心配してやっていたが、朝が苦手で挫折。
夢斗は、一人でもランニングを止めなかった。
なぜなら、ランニングを初めてから、風邪をひく事も、喘息の発作が起こる事もなくなったからだ…。
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