プロローグ

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どんな大人も、昔は子どもだった。 大金持ちでも、貧乏でも。 犯罪者でも、全うな人でも…。 人生だなんて、子どもの頃は考えないし、どんな大人になるかなんてのも、あまり考えない。 なりたいモノは、大抵はアニメのキャラクターや戦隊ヒーローの主人公。そうじゃなければ、女の子ならお花屋さんかケーキ屋さん。 男の子なら、パイロットや警察官。 どの時代の子どもも、似たようなもんだ。 子ども時代の記憶なんてほとんどない。 小学生の記憶までは曖昧だけど、中学生になると意外に覚えているもんだ。 どの時代が一番楽しかったかなんて、人それぞれだし、だからなんだって事ない。 自由なんだ…。 毎日、同じ日々が過ぎて行く…。 空青学園(くうせいがくえん)通称「青空(あおぞら)」は、ごくごく一般的な男子校で、高等科から寮に入り生活をする。 なぜなら、高等科は完全な全寮制の学校だからだ。 この学園は、所謂エスカレーター式の全寮制の男子校。 そして、姉妹校には海青学園(かいせいがくえん)という女子校もある。 一応、幼稚舎が両校ともあるが、男児と女児の玄関が違うだけで、中では繋がっており、初等科から男女別になるという、少々ややこしいとこだ。 そんな空青学園に、ボクは通っている。
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