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「パパとママは?」 「今ねー…ママは朝ご飯作っててー、パパはまだ寝てるの!にぃにがいないと、パパとママもダメダメー。」 「それは困ったね。」 微笑しながら、夢斗は答えた。 夢斗の両親は、所謂「天然」である。 そのため、どこか抜けている両親を、幼い頃からフォローしてきた夢斗は、三才になるとトイレはもちろん、着替え・お風呂・歯磨き・寝起きのすべてを、自分一人で出来るようになっていた。 「昨日のね、かえでのカゼだって、にぃにが言わなきゃ、パパもママも大慌てだったよー?」 「本当に、困ったパパとママだな。ママにかわってくれる?」 「うん!マーマー!にぃにー!!」 しばらくすると、少し高めの鼻に掛かるような声が聞こえた。 「夢くん?おはよう。昨日はママ助かったわあ。さすがお兄ちゃんね!!」 「それはいいから。母さん、今は家に父さんと母さんしか、かすみとかえでは頼る人いないんだからさ。もう少ししっかりしてよ?天然だけじゃ、二人は育てられないんだよ。」 「分かってるわよー。」 すると、電話の向こうから、かすみが母を呼ぶ声が聞こえてきた。 「ママー!目玉焼きがまっくろー!!」 「あら大変!!火にかけっぱなし!!じゃあ、夢くん!今日もお勉強頑張ってね!!」 そういうと、母は電話を切った。 切れたケータイを見つめ、夢斗は一つ溜め息をつき、もう一つの日課であるランニングへと出掛けた。
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