プロローグ

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防御ヘルメットに迷彩柄の服。整えられた装備には、機関銃を添えている。 取り囲まれては術がないと、サクスは、パティを片腕に首謀者と向き合った。 首謀者だけはガスマスクをしていない。 堂々と進み出た女は、胸元にペンダントを揺らしていた。プロペラ機のライトのせいで髪色や服の色など細かいところは分からない。ペンダントだけが、サクスの目に止まったのだ。 ただ、女にはまだ未成年の面影がある。サクスよりも年下の風貌が、体躯から読み取れる。 数人の部下を従えて、首謀者が口を開く。 「パティを返しなさい。ジャディ」 「子羊とは酷いな。これでも君より年上なんだけれど?」
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