プロローグ

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「今の貴方は狼に囲まれた子羊も同じよ」 「もう少し分かりやすいニックネームはないのかな?」 「例えば?」 「今度会うまでに考えておくよ。その呼び名の由来を教えて欲しい」 「直感よ」 「直感、て。まあ、良いけれど」 「それより。まだ、逃げるというのかしら?」 「逃げるよ。君に捕まっても意味がない。パティはちゃんとあるべき場所に戻さないとね」 首謀者の女にサクスが飄々と言ってのける。 「パティを返して貰えれば命は捕らない。何度言えば分るの?」 女は、些か呆れたようであった。サクスに返す口振りがシラけている。 「さあ、違法には違法で対処するのが、俺のやり方なんだ。パティを渡すつもりは無い」
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