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「さて、今日はどうするかな・・・」
大学の講義が終わると、片倉慎也(かたくら しんや)はこの後のことを考えながら大学内を歩いていた。本来彼は野球部に入っているのだが、試合中に足を怪我してしまいしばらく練習を休んでいる。
大学内の購買でスポーツ新聞を買った後、慎也はベンチに座って新聞を読んでいた。ふと、朝に掃除をしていた清掃員の人から受け取っていた手紙のことを思い出した。俺は鞄から手紙を出し、中身を見た。そこには
「門の前で待っています。」
とだけ書かれた。差出人は書かれていない。慎也は少々疑いを持ちながらも大学の門の前へと向かった。門には一人の少女がいた。制服を着ていることからおそらく高校生だろう。少女は慎也の存在に気付くと手に持っていた携帯電話を胸ポケットにしまってぺこりとお辞儀をした。
「あの・・・片倉慎也さん・・・ですよね?」
「そうだけど・・・」
「あ、あの私・・・片岡優希といいます。今日は慎也さんにお願いがあってお手紙を出しました。」
「お願い?」
「あの・・・私たちに野球を教えてください!」
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