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  慣れなのか、気を使わず飲める状況で油断したのか、仕事で飲み過ぎていたのか、私はすぐに酔っ払ってハイテンション。   「てかさ、うちのママふざけてんだよねー」   愚痴のオンパレードに笑顔で付き合ってくれるタカ。 どんどん気分は良くなる。   目の前には渚と《ゆきや》   《ゆきや》と呼ばれる彼は、前髪が長くて顔が見えない。   名前だけは渚から聞いた事がある。渚曰く、《第二の彼氏》。   想像してたより陰気な子…。   ハイになった私に釣られて渚も一緒に酒を煽り出す。   「ちょっとゆきや!この子の腕見て!」   突然、渚が私の左腕を掴み、袖を捲る。   あらわれたのは、過去の、私の、傷。   「ちょっと!いきなり何すんの!」   突然過ぎて動揺してたけど、これはマズい。 何のために隠してるかわかんないじゃん!   急いで袖を元に戻してると、ふいに、ゆきやと目が合った。   「…なに?」   ちょいちょい、と手招きをされ、少しゆきやの方に、身を乗り出す。   ぱしっ   「いったい!」   何で初対面の男に、頭叩かれなきゃいけないわけ?!  
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