物語の始まり

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「はいはい、わかったよ。………じゃあ行くか」 ここで、ほんとは怖いんだろ、とか言ったらまたうるさいだけだからここは我慢。 「そうね。じゃあね、みんな!」 「もう行くんの?お兄ちゃん」 「ああ。またいつかこっちに戻ってくるまで大人しくしてるんだぞ!」 「うん!!」 そう言い微笑む楓の頭を優しく撫でた。 楓は照れくさそうに、嬉しそうにしている。 俺がいなくなったとき、山奥で破壊行為を繰り返してたとは、思えない可愛らしい妹だ。 「台南さん正羅ぁ、じゃあな」 「バイバーイ、燐火さん正羅さん!!」 「正羅くん燐火、またね!」 「正羅、昨日言ったこと忘れてないよな?」 「忘れてない。大丈夫だ」 1ヶ月に一回の定期報告。世界が変わってもしないといけないのか……。一週間が1ヶ月になっただけましだけど。 「燐火、正羅を頼んぞ」 「わかりました」 何を?俺のことで燐火に頼むことなんて無いだろ。まさか、俺の見張りか!? ……あっちの世界でも俺に自由はないのか………。 「あと燐火、普通に話すときはもっと軽く話せ。お前は固すぎだ」 「はい!」
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