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「じゃあ、マカロン食べに行こう」
イヴはにこにこ顔でギャリーを見た。ギャリーは照れ臭そうに頭をかいている。
「そうね、みんなで食べに行きましょうか。もちろん、アタシのおごりでいいわ」
話が進み、イヴ達は出口へと向かおうとする。
「あっ、先に行ってて。私、ちょっと見たい作品があるから」
メアリーは立ち止まる。どうしても彼に会わなければならない。
「わかった。じゃあ、私達は外で待ってるわ」
イヴはメアリーが何の作品を見たいのかすぐにわかった。イヴ達は先に出口へと向かった。メアリーは一人になると階段を降り、ある場所へと向かう。ギャリーの絵、【少女を助けた男】はそこにはなく、代わりにメアリーが描いたあの絵が展示されていた。
【ゲルテナ】。パンフレットによると、ゲルテナの最後の作品と書かれている。
「ありがとう。これ、大切にするよ」
メアリーは【ゲルテナ】に感謝の言葉を伝えると、一瞬彼が笑った気がした。
「じゃあ私、もう行くね。みんなが待っているから」
もうあの頃みたいに一人ぼっちじゃない。もう寂しくない。彼女は幸せだ。
美術館を出るとイヴ達がいる。メアリーは後ろを向いて美術館に…いや、ゲルテナの世界に別れの言葉を言う。
「ばいばい」
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