168人が本棚に入れています
本棚に追加
「メアリー…!」
ギャリーは目を疑った。メアリーは自分の腕を何かで刺した。パレットナイフだ。メアリーは何度も何度も自分の腕をパレットナイフで刺していた。
「止めて!」
イヴは一生懸命メアリーを止める。不思議なことにメアリーの腕は傷だらけなのに、血は一滴も流れていなかった。
「私がいけない…全て私のワガママがいけないんだ…。見て………私の体には血なんてないわ…。私は…バケモノだわ…」
持っているパレットナイフを強く握る。再び自分の腕を刺そうとしていた。
「私なんて…私なんて…」
死んじゃえばいいんだ。メアリーはそう思った。
「違うよ」
そんなメアリーをイヴは優しく抱きしめた。その瞬間、メアリーの動きが止まる。
「あなたはバケモノじゃないわ。あなたは私達の友達、メアリーよ」
メアリーは人間ではない。しかしそんなこと、イヴには関係なかった。なぜならメアリーはイヴにとって大切な友達だから。
最初のコメントを投稿しよう!