前編

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「イヴ、もういいの」 メアリーはイヴが今何を考えているのか、わかっていた。 夢はもう叶うことはないかもしれないが、もう孤独ではないことにメアリーは満足していた。 「でも…!」 「イヴ」 メアリーはイヴにあるものを渡した。 「メアリー……これ…」 黄色い薔薇だった。イヴとギャリーの薔薇に似せた造花の薔薇。メアリーがいつも持っていた薔薇だった。 「イヴにあげる。あと……………」 今度はギャリーの方を向いた。 「実はギャリーにもプレゼントがあるんだ」 「あら、ほんと?。大切にするわ」 ギャリーは手を合わせ、笑顔になる。しかし、メアリーのプレゼントが何なのかわかった瞬間、彼の顔は凍りついた。 「はい、ギャリーにはこれ」 メアリーはどこから出したのかわからないが彼女の手にはギャリーの苦手な赤い目の人形があった。
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