後編

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イヴがどうして再びあの世界に行けるようになったのか。 それは11年前あの日から数日後にさかのぼる。その日、一人で部屋を掃除していたイヴはあるものを見つけた。 「これ…」 ギャリーがくれた飴。その飴を包む紙に張り付いていた。 「ギャリーの薔薇…」 包み紙にあったギャリーの花びら。イヴはその一枚の花びらを優しく取る。その瞬間、部屋の扉の方から音がした。 「イヴ…どうしてそれを…」 本が落ちた音。扉の前にメアリーが立っていた。メアリーはイヴが手に持っている花びらを見て驚いている。 「飴の包み紙についていた」 メアリーに飴の包み紙を見せる。しかし、何故ギャリーの薔薇の花びらがここについていたのかはイヴにもわからない。 「そうか…だからイヴは覚えていたんだ…」
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