後編

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【絵空事の世界】、その絵から今いる世界に行けば、あのゲルテナの作品達の世界のことは忘れるはずだった。メアリー以外は…。 しかし、イヴはあの世界のことをすべて覚えていた。最初は理由なんてわからず、ギャリーがあの世界に閉じ込められたのは自分のせいだと泣いてばかりだった。 でも、この花びらを見てメアリーはその理由がわかった。 あの世界に関係する物があったからイヴは記憶を維持することができたのだと。そしてそれがあれば……。 メアリーは急に喜び、イヴの手を掴む。 「イヴ、これならギャリーを助けることができるかもしれない!」 「……?」 イヴの頭に?マークが浮かぶ。 「一度行ったらあの世界はもう行けない」と、あの日の後、メアリーがそう説明したのを思い出す。 「もうあの世界に行けないんじゃなかったの?」 「普通はね。でもあの世界と繋ぐものがあれば別。ギャリーの命と繋がるその花びらがあればもう一度行けるわ」
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