後編

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「方法は……新しい作品を増やすこと」 「増やす?」 「うん。ゲルテナの作品達は仲間意識が強いの。作品が減ることは許されない。だから外へ出るためには何か代わりのものが必要なの」 「代わりのもの…」 イヴがそう言うと、メアリーは小さく頷いた。メアリーは話を続ける。 「代わりになるのは人か作品。でも作品はゲルテナの作品達にゲルテナの作品として認めて貰わないといけないからかなり厳しいんだ…」 「じゃあ、どうすれば…」 「もちろん、作品を作るしかない」 メアリーがいう方法は確かにあった。でもそれはあくまで可能性に過ぎない。 メアリーは自分の胸に手を添えて言う。 「作品は私が作る。私、ゲルテナの最後の作品と言われていたけど、本当は結構前からいたのよ。未完成だったけどね。だからお父さんのことはよく知っている」 メアリーが言うお父さんとはゲルテナのことだ。メアリーは少しだけ笑う。
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