後編

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「あれ…?、ない……!」 背負っていたはずのリュックがない。そして、ポケットの中に入っていたはずの薔薇もなくなっていた。 「ない!。どうしよう……」 イヴは必死に薔薇とリュックを探した。薔薇はイヴの命。でもそれよりもリュックの方がイヴにとっては大事だった。なぜなら、あのリュックの中には、メアリーが描いた大切な絵が……ギャリーを助けるために必要な代わりのものが入っているのだから。 「誰か来る…」 足音が聞こえる。足音は少しずつだが大きくなっている。イヴはどこかに隠れようとするが、この部屋に隠れる場所なんてなかった。 「………!」 イヴは足音の正体を知った瞬間、動きが止まる。部屋の入口の前に立っている男。その男は左目が紫色の髪で隠れ、ボロボロのコートを着ていた。
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