168人が本棚に入れています
本棚に追加
「あれ…?、ない……!」
背負っていたはずのリュックがない。そして、ポケットの中に入っていたはずの薔薇もなくなっていた。
「ない!。どうしよう……」
イヴは必死に薔薇とリュックを探した。薔薇はイヴの命。でもそれよりもリュックの方がイヴにとっては大事だった。なぜなら、あのリュックの中には、メアリーが描いた大切な絵が……ギャリーを助けるために必要な代わりのものが入っているのだから。
「誰か来る…」
足音が聞こえる。足音は少しずつだが大きくなっている。イヴはどこかに隠れようとするが、この部屋に隠れる場所なんてなかった。
「………!」
イヴは足音の正体を知った瞬間、動きが止まる。部屋の入口の前に立っている男。その男は左目が紫色の髪で隠れ、ボロボロのコートを着ていた。
最初のコメントを投稿しよう!